駅前商店街の便利屋探偵11〜汐風の詩〜

事件を解決せよ

三人は車に乗り込み運転席に座った野間口はエンジンを掛け

『このあとはどうするんだ？』

助手席に座ってシートベルトを締めた結城は

『どこに行けば過去のヒントがわかるんだろ？』

後部座席に座った中瀬は

『やっぱり新聞社？』

結城は腕を組み

『会長の過去を知ってる人物、はたまた会長の過去が記してある資料………』

野間口は結城の言葉に

『結城、落ち着いて次の行動を考えろ。』

結城は外方を向き

『今回の事件、最初に殺害された吉村。吉村は長曽我部建一と高浜由美子に不倫の公表を理由に金を要求し殺害される。次に長曽我部建一は仲間割れか何だかの理由で吉村を一緒に殺害した人物に殺害される。』

中瀬は結城の推理に

『会長は過去の出来事、はたまた何だかの理由で殺害される。』

結城は中瀬の言葉に

『吉村、長曽我部建一、会長。この三人に繋がるものが何も思い当たらないんだよな～。』

野間口は結城に

『どうするんだ？』

結城は野間口の言葉に

『壁にぶつかったら初心に戻れ。和久井平八郎師匠の言葉だ。今から吉村殺害から再現してみよう。』

野間口は結城の言葉に

『えっ？吉村殺害から再現って………？』

中瀬も結城の言葉に

『それってまさか市川市にも行くの？』

結城はにっこり笑って頷き

『再現したいからね。今から千倉町の旅館しぶきに行って、おんだら山に行って、それから市川市に行こう。』

野間口は結城の言ったルートを頭に描き

『お、おい………往復の距離は長いぞ。』

中瀬もそのルートを頭に描き

『それ、夕方までに帰ってこれるの？』

結城は笑顔で

『後先を考えるのは止めよう。よし、今から行くよ。』

野間口は結城の笑顔を見て

『マジかよ………って思ったけど、それやるなら事件のあった夜の方がいいんじゃないのか？』

中瀬も結城の提案に

『うん、私も同じ事思った。』

結城は中瀬と野間口の提案に

『そうだね。そうしよう。それじゃ事件のあった同じ時間にやろうか。』

野間口は結城の言葉に

『そうと決まれば今から帰って仮眠とるぞ。』

中瀬も結城の言葉に

『私も今から帰って仮眠取らなきゃ。』

三人は太海に戻り夜まで仮眠を取った。