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その日の夜、旅館しぶきの敷地内
結城は周りを眺め
『やっぱり夜は怖いな。』
中瀬も周りを眺め
『うん、やっぱりこの時間は怖いね。何か出ないよね………』
野間口も周りを眺め
『何か出る前にさっさとやって市川市に行こう。』
結城は野間口の言葉に
『その前におんだら山にも行くんだからな。』
中瀬は結城に
『うわ〜、おんだら山か〜。おんだら山、何か出そうだね………』
結城は野間口と中瀬に
『何か出る前に終わらせるよ。さて始めようか。長曽我部建一とフードの人物はこの辺りで吉村を殺害。遺体をおんだら山に運ぶ。』
野間口は結城に
『こんな感じか?』
野間口は結城の後ろから叩くふりをして、結城は自らその場に倒れ
『どうだ?こんな感じか?』
中瀬は二人のやり取りに笑いながら
『うん、こんな感じだったんだろうね。』
野間口は周りを見渡し
『いくら旅館しぶきの敷地でもこの時間はここは人が通らないんだろうな。』
結城は二人に
『目撃者は居なかったみたいだもんね。よし、このままおんだら山に向かうか。』
三人は車を止めた旅館しぶき駐車場からおんだら山に向かった。
後部座席の中瀬は
『こんな夜に車二台にわかれておんだら山に向かったんでしょ?』
助手席に座っている結城は
『どっちかの車に吉村の遺体を乗せてな。』
中瀬は結城の言葉に
『こんな時間に遺体を乗せて運ぶって心境が怖いわ。』
野間口は笑って
『運転中にバックミラーを見るとその遺体が動きだして………』
中瀬は野間口の言葉に
『怖い事言わないでよ~。』
結城は正面を向きながら
『いきなり自分の首を絞めてきて………って、ぐぇっ………ぐ、ぐるじぃ~………』
後部座席に座っている中瀬は助手席に座っている結城の首を絞めながら
『こんな感じかしら………って、まったく〜結城君まで怖い事言わないでよ~っっっ!!』
中瀬に首を絞められてる結城はタップしながら
『ギ、ギブッッッ!!ギブ!!ギブッッッ!!』
中瀬は結城の首から手を離し
『まったくもう、また言ったら次は怒るからね。』
結城は首を擦りながら
『って、もう怒ってるじゃん。あ~、苦しかった~。』
野間口は二人に
『そろそろおんだら山に到着するよ。』
結城はおんだら山まで百メートルの看板を見て、鞄を開けて中瀬と野間口に
『懐中電灯持ってきたから使ってよ。』
中瀬は結城に
『街灯なんかないんだろうな~………』
結城は懐中電灯が点くかどうか確認しながら
『絶対にないだろうね。何せほとんど民家がないし。周りは田んぼや畑だからね。』
野間口は結城の言葉に
『途中で懐中電灯が消えたら笑うぞ。』
そう言っているうちにおんだら山の駐車場に到着した。
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