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「犯人はすべて確保されました」
「あぁ……助かったのか」
「あなた様……!」
私の言葉に胸を撫で下ろした夫妻は、抱き合って涙を流す。
「クリスタル様、そして騎士団の皆様、私たちを守ってくださったことに感謝申し上げます。ところで――」
王子の顔が私の方に向いた。ギクッ……バレた!?
「クリスタル様のような弓術や剣術、ゼノスタンでは見たことがないくらい素晴らしいものだったのですが、どこで身に着けたものなのでしょうか」
「ベーム騎士団でございます。フォーゲル家は騎士で有名な家系ですので」
「なるほど、そこでございましたか。どおりで技術も振る舞いも素晴らしいこと」
何一つ間違ったことは言っていないが、自らの名字をフォーゲルと名乗ったせいで罪悪感に苛まれる。
すべてを知っているマシューは、口角が上がりぎみになっていた。
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