個人に焦点を当てるとやっぱり面白い

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ヒュッレムはスレイマン1世の長子を産んだマヒデヴランを息子と共に追放したと言われていますが、真実は闇です。 そして、後継者としてマヒデヴランの息子を支持していた大宰相(帝国ナンバーツー)、スレイマンの小姓として側近からの出世を果たした忠臣イブラヒムが突然処刑されます。 ここの真相も謎に包まれているのですが、どうやらイブラヒムというのは小姓時代にスレイマンの恋人だったらしいんですよね・・。 あ、BLです、BL。そっち系ですわ。 イスラム教徒は同性愛ダメってことになってるんですけど・・。 側に仕えながら教育を受けている小姓と主君の恋愛は普通にあったんですってよ・・。 小姓、選りすぐりの美男子ですもんね・・。 とはいえ小姓側の気持ちが分からないんでコメントはしづらいです。 小姓は大人になると皇帝との恋人関係はなくなるらしいんですけど(何その慣習)、イブラヒムは大人になってからもずっと側近として側にいた訳で・・。 これは、もしかすると皇帝の寵愛を争ってヒュッレムが・・という説すらあるらしいです、よ。 実際はイブラヒムが力を持ちすぎて目に余ったからじゃないか?と言われていますが、大宰相をいきなり処刑するのはさすがにやり過ぎかなって気がします。当時、政治の中心人物だったわけです。大統領を任期中に処刑するようなものです。 イブラヒムの処刑については真相が分かっていないので、創作の世界でヒュッレムの悪女化は進みました。 その方が物語が面白かったんでしょう、ドラマが生めたのかなと。 想像を掻き立てるキャラクター性があったのだと思います。 果たして、本当に悪女だったのかどうか。 ミマール・スィナンの数々の建築物は、彼女の指示で民衆のために作られた公共施設がいくつもあります。今でも入ることが出来る公共浴場とか、教育施設など。 真実は分かりませんが、人には何面性もあるもの。 悪女らしい痕跡を残さずに処刑や処分を実行する知能派で、普段の素行はいい人だったのでは?なんて考えても面白いですが。 何でも手に入って女性の替えなどいくらでもいたスルタンの寵愛を集中させるほど骨抜きにしてしまったのですから、絶対普通じゃないのは確かです。 当時の人は、それを魔術と呼んだのでしょう。興味深い女性です。
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