バリウム初体験

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バリウム初体験

炭酸粉喉奥流し込み 白濁ドロドロ初のバリウム ビクビクビビりながらの胃の検査 噂でかねがね耳にしてきた 泣く子も黙る恐ろしい液体 その名もバリウム 遂に飲む日がやってきた 八月の悪夢 炭酸粉を飲んだらゲップも許されず 我慢を強いられながら 牛乳瓶一本分のドロドロを 最初に二口 さらにまた二口 最後にぐびっと一気飲み なぜに3回に分けて飲む必要が あるのか分からない それからベッドの上に乗せられ 右に左に回れ回れと ガラス越しの向こうから 実験動物を見る様な眼差しで 先生がマイク越しに僕に指示を出してくる 指示に従い回る回る 回るしかないなら仕方ないから回る回る 胃の中で動く動くドロドロの液体の感触が おもったらしくもぐにぐにと動く感覚が 気持ち悪い 一体自分の体の何を今調べているのか 頼むからもう回りたくないが 右に左に回れ回れと先生は僕を煽ってくる 僕はただひたすら我慢の 生き物と化して回る回る 液体がぐにぐにごにごにと動く動く ああもはや右も左も 曖昧になりかけてきた頃合いに ようやく解放 鏡に映った僕の顔にはべったりと 白い液体 流しで洗いお口の中も洗浄 下剤を二錠手渡され 初のバリウムこれにて終了 初めてにしては なかなかに試練険しい 10分間だった ゲップ
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