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カシュッとすいか
坂をのぼって、少し行くと、お宮さんがあります。
そこで、4人でかくれんぼをしました。
おやしろのすぐそばにある大きな木の根もとに、穴が開いています。
さらちゃんは、そこにかくれようとしました。でも、それこそおばけが出てきそうなほど暗かったので、やめました。
走り回って立ち止まったとたん、汗がふき出してきました。頭からたらたらたれてきて、目にしみました。
しょうごくんも水あびをしたくらい、シャツがべったりしています。
それでも4人できゃあきゃあ言って、おやしろの周りをグルグルと走りました。
おかあさんが呼びにきました。
「まあ、汗だくやん。もうおうちに帰るよ」
タオルで頭をゴシゴシとふいてもらっていると、おばあちゃんがおぼんいっぱいに赤い三角いものをのせてやってきました。
「すいかや!」
そのすいかも、おばあちゃんが畑でこしらえたものでした。
さらちゃんは、まん中の大きなのを取りました。
カシュッとかじると、あごの下まで、すいかの汁がたれました。
「甘いけの。よかったよかった」
おばあちゃんは目を思いきり細めて、さらちゃんの食べるのを嬉しそうに見ていました。
縁がわで、種の飛ばしっこをしました。
ゆうまくんが、遠くまで飛ばします。
しょうごくんはまねをしましたが、すいかの実まで飛ばしていました。
大きいおばあちゃんも、椅子にすわってすいかを食べていました。おちょぼ口で少しずつ食べます。おばあちゃんが、タオルでふいてあげます。
「大きいおばあちゃん、種出さないの?」
「見えるのは、取ってあげたでの。それに一つくらいならだいじょうぶや」
さらちゃんはほっとして、また次のすいかに手を伸ばしました。
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