① messenger/リンキンパーク

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 明くる日。  俺は終業後、司馬と話した病院付近のコンビニでダラダラと時間を潰し、近所のショッピングモールの本屋とフードコートでさらに時間を潰した。  金はないので、飲み食いせず、窓から表の景色を見たり、スマホでネットニュースなどを見て過ごした。普段ならあまりにも無為な時間の使い方に辟易するが、今日は仕方ない。  約5時間後の午後9時過ぎ。俺は原付で病院に戻り、通用から出てくる鶴田を待った。  この女性に尋ねるのが、早いからだ。 『21:00』  スマホの時計が午後9時を示した。  職員用の出入り口から少し離れた位置で待った。明らかに不審者だが、警備員などは来なかった。防犯カメラに映っても、病院で働いている人間だと分かったのか。  そのうちに自動ドアが空いて、マスクを付けた鶴田も他のユニックスの仲間と出てきた。見覚えのある顔もいた。彼女らは挨拶して帰路につこうとしていた。  鶴田が一人になった時、背後からに俺は声をかけた。  「つ、鶴田さん、ひ、久しぶり…」  「ひっ!」  鶴田の顔が歪んだ。幽霊でも見たような顔で、俺は思わず笑ってしまった。  「…聞きたい事、あ、あるんだけど、ど?」  俺は逃がさないように鶴田のリュックの肩掛け紐の部分を掴んだ。  「す、鈴木、くん!?」  鶴田は動転していた。少し汗臭い。今日の洗浄作業も大変だったのだろう。コロナが落ち着き出して、入院患者が増えたか。  「お、おばあちゃん、お、俺にな、なんか、う、嘘付いてないかか?」  「…え! ど、どうして!?」  鶴田は驚いていたが、観念した雰囲気があった。何の話かすぐに理解したらしい。  やはりだ。  この姿を誰かが見たら、俺が中高年の女性を襲っているようにしか見えないだろう。  俺は鶴田を引っ張って、駐車場の方に向かわせた。  「ど、どうい、いう事よ。」  俺は、マスクを外して鶴田に尋ねた。  その話は俺の次郎での予想通りだった。  やはり村木は襲われていなかった。去年、鶴田が俺に話した「村木さんが帰宅時に“半グレ”に襲われた」は嘘だった。  村木の指示だと、鶴田は吐いた。  去年11月の彼女の話では…、  
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