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《照合から…》
2020.10月
「…久しぶり。…鈴木くん、知ってる?」
「な、何?」
会話するのは2年ぶりだ。いきなり何の話だ。
鶴田は驚くべき情報を俺に告げた。
「村木さんが、…入院したのよ」
「はぁ?」
俺は少し驚いた。村木の腰抜けが入院した事ではなく、何故、それを俺に報告するのか、という事である。
入院理由が気になったが、「…そ、それが、な何?」と、俺はすぐに表情を戻して、原付に跨がった。内心、(あのジジイ、遂に病気か?)と予想した。
だが、違った。
「お、襲われたのよ、若い子らに」
「へ?」
「何て言うの? “半グレ”とかって言うの? それにあの北側の所で…」
「な、何で?」
「知らないわよ…。ウチじゃなくて、住吉の聖蓮に入院しているわよ」
「せ、聖蓮にに?」
「そうよ。今、欠勤してんの」
「…」
俺はこれには心から驚いた。
すぐにとある予想が出来た。
村木の爺さんを襲ったという“半グレ”とは誰か。
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