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取り合い
「なあ……ええやろ?しよ?」
「ダメよ。昨日も遅くまでしたじゃない。アタシ眠いの。寝かせて…明日も朝早いし…」
「せやったら、朝飯も見送りもなんもせんでええ。ゆっくり昼間寝たらええから……せやからな?しよ?セックス…」
「んもう…だからダメよって、藤次さぁん。」
そう言って、眠りたい絢音とヤリたい藤次。ベッドの中でモソモソと攻防を繰り返す2人だが、絢音があんまり拒むので、藤次はムスッとした表情になり、ダブルサイズの掛け布団を乱暴に引ったくると、そのまま包まりそっぽを向いたので、彼女は布団から締め出される。
「やだ。寒いじゃない。返してよ布団。」
「嫌や。してくれるまで、返したらん。」
「そんな子供みたいなこと言わないでよ。ホラ、返して!!」
「いーやーや!!眠いんやろ!早よ寝ればええやん!!」
「寝ればって…今2月よ?布団もなしに寝たら風邪ひいちゃうじゃない。…もー!機嫌直してってばぁ〜」
「嫌や。ワシ…俺を拒んだ罰や。そのまま寝たらええわ。風邪でもなんでもひけ。看病も、したらんからな。」
その俺口調…本性剥き出しの藤次に、絢音ははあと、ため息をつく。
「分かったわよ。但し、一回だけだからね?それでもムラムラするっていうなら、寝てるワタシオカズにして1人でなさいな。間違っても睡姦なんてして起こさないでよ?ほんっとに、眠いんだから…まったく…」
そう言って、機嫌を取るように藤次の下半身に手を伸ばし、性器を手でゆるゆると扱くと、彼が翻って、貪るようにキスをして来たので、絢音は心の中でまたため息を吐きながらも、愛する男の腕に抱かれる夜を過ごした…
−拗ねて片寄る布団のはずれ 惚れた方から機嫌とる−
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