居候になる

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居候になる

深夜の茜と大地を見た翌朝、 「私、この家で居候させてください」 と言って、雅は、由美と茜に頭を下げた。 そして、 「大地、どこかに泊めてもらってるなら、帰ってきて大丈夫って伝えてほしいです」 と、続けた。 由美と茜は、大地を追い出していたことが知られていて驚いたが、それ以上に、同居を受けてくれた事が嬉しかった。 由美は、 「決めてくれて、ありがとう」 そう言って、雅を抱き締めた。 その後、雅の顔を覗き込みながら、 「うちに住むなら、バイトどうする…?」 と、少し言いづらそうに問いかけた。 雅にとっても、バイト仲間は素敵な仲間だ。 でも、こうして心配をかけてしまった今、無理するべきではないかもしれない…。 雅はそう思い、 「店長に辞めると伝えます」 と、笑顔で由美に答えた。 雰囲気の良い人気のカラオケボックスだ。 たくさんシフトに入りたい人がいたのも思い出した。 私は、店長さんのご厚意で働かせてもらっていた。 お金的にも精神的にも大丈夫そうな今、辞めることが正しいと思った。 お店の勤務のシフト具合でいつ辞めるかは店長と相談しよう。 そう思いながら、川崎家を出る。 会社の人達にも伝えなくては…と考えながら、会社へと向かった。
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