初めからずっと…

集まり

足立さんが、

「久しぶりに集まりましょうよ」

と、声をかけてくれて、足立さん夫妻、息子の悟、川崎家の家族と雅の8人で悟の住む柏木家のリビングに集まった。

足立さん親子は、隣に住んだ距離感が良かったのか、徐々に和解していったようで、今は別々に住んでいても、ご飯は家族で食べたりしていると話してくれた。

家を貸してくれたお礼も兼ねての集まりのようだった。

玄関先で悟が皆を出迎える。

大地が、初めて会う悟に軽くお辞儀をすると、悟が満面の笑みで迎え入れてくれた。

雅や茜にも微笑んではくれたけれど、大地には特別な笑顔だった。

その悟の様子に、雅と茜は不思議そうに顔を見合わせた。

足立さんが作ってくれた料理を、皆で食べながら懐かしい話をしていると、足立さんが、

「雅ちゃんと大地くんは、結婚するの？」

と、突然聞いてきた。

しーんと静まる部屋の中。

由美と大輔はお互いを見つめ、雅は困って下を向いてしまっていた。

そんな皆の様子を見回して、足立さんの旦那さんが焦りながら、

「これ！今聞かなくても…」

そう窘めると、

「あらだって、いつも手を繋いで帰るから、気になっちゃって」

と、足立さんは少し申し訳なさそうに大地の顔を見た。

大地は、

「プロポーズはしました。 雅が安心して俺を頼れるようになったら結婚します」

そう言って、足立さんに微笑んだ。

雅は、その様子をどう反応したら良いか分からず、困っていた。