二番手をつかむ運命

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二番手をつかむ運命

 株には飽きた、などと言いながら、やはり続けようと思っているマーナです。  必死の思いで開いた株式口座なのです。ネット、パソコン関係に疎いおばちゃんにとっては、まさに時代との闘いでした。  そんないい加減な態度なのに、ふと思いついた銘柄を調べると、株価が下がっている、というラッキーに恵まれています。  で、また、ふと思いついてA社の株を買いました。ほぼ底値。  すると何と、買ったとたん、マーナの『ポートフォリオ』(保有資産の構成内容)に、決算、の文字が現れたではありませんか。  その会社の株価が下がっていたのは、どうやら、決算後だったかららしいのです。    ということは、成績が、いや、業績が下がったということかいな。  しかし、そう思っただけで、何も調べないのがマーナのスゴイところです。  だって、企業の業績ほど見ていてつまらないものはないんだもの。  それだったらまだ、自作の小説を読んでいるほうが面白い、と思うほど、企業の業績はつまらない。  ナニが何%、カニが何%とか言われても、マーナにとっては、それが何か? という感じなのです。  その会社、たぶん(ホンマにたぶんやけどな)業界で二番手です。  一番手の会社は、多くの人が長期保有として薦めている、優良株になっています。配当金も高けりゃ株価も高いんだよ。  初心者のマーナは、ただ株価が下がっているからという理由で、二番手の株を掴んでしまったのです。  購入から何日経っても、株価は値上がりしません。それどころか、『含み損』300円とか出る始末です。  しかし、潰れない。この会社は明日、明後日、簡単に潰れる会社ではない。マーナは、そう確信していました。五百年後は知らんけどな。  そして購入から約一週間、ついに上がり始めました。今もどんどん上がっております。  イケイケッ、マーナの百獣の王♡♡♡  本当は花の王が欲しいのだけれど、そっちは高いのよ。みんなが欲しがっているし。  そしてマーナは初めて知った。  我が家のキッチン、バスルーム、洗面所、トイレには、一番手か外資系のものしか置いていない。みごとなまでに二番手なし。    不良株主やがなっ!!!    お越しくださる方が少ないのをいいことに、好き勝手なことを書いております。関係者の方、もしお読みになってらしたら、すみません。(;^_^A  けど、二番手には二番手のエエとこがあるんやもん。    マーナ作のポトフを食べる夫の横顔に、ふと、そんな言葉が浮かびました。
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