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自分のなぐさめ方
ある会社の株を買い損ねました。
名前は知っているけれど、その会社の製品は使ったことがありません。
マーナには必要のないものなのです。
しかし、あのとき勇気を出して百株購入していれば、すぐに七万円ほどの利益が出ていたのです。
全く、悔しいったら……。
どうして迷ってしまったのだろう。
決断力のない自分、先見の明のない自分、判断力のない自分を責めに責め、気分は憂鬱でした。
マーナの友達は、何人もその製品を使っています。でも、その製品がそこの会社のものかどうかは不明です。興味もなかった。
マーナにとっては、それほどまでに無関心で縁のないものだったのです。
若かりし頃は、彼女たちがそれを道に落としたとき、アッタ! と見つけ出すのがマーナの役目でした。
と、ここまで書けば、何の会社かおわかりになるでしょう。
昔に比べて、それは進化してきています。目とレンズの間に空気を通したり、使い捨てになっていたりしていて、とても良い製品らしいのです。
使ったことないから知らんけどな。
しかし、夜に洗って専用のケースに保管しなければならないし、金額だって馬鹿にならないようです。
手間もかかればお金もかかる。
マーナは百均の老眼鏡を外すだけでこと足ります。マーナの老眼鏡と目の間には、充分な空気が通っています。
これって、実は、とてもありがたいことなのでしょう。
その製品を使ってらっしゃる方、お気を悪くされたらごめんなさい。
でも、老眼だって不便です。遠くはよく見えるのに、文庫本の文字や薬の箱の説明書きなどは、老眼鏡がないとわからないのです。マーナは、そこに乱視と強烈なドライアイも加わっています。
今、神に、四十年前の美貌か四十年前の視力か、どちらかを与えてやるから選べ、と言われたら、迷いなく四十年前の視力を取るマーナです。
だって、美貌は今も健在なんだも……???
精巧にできているカメラのレンズだって、そうです。キャノ〇だ、ニコ〇だと言ってみても、神が創り給いし人間のレンズには敵わない。
ただし、見たものが脳に正しく認知されているかどうかは別問題。
見たから頭に入ったとも言えません。
そんなコピーマシンのような目だったら、今頃マーナは、ネイティブなみに英語を話しているはずです。
ここまで考えて、ようやくマーナは、その会社に諦めがつきました。
新人賞にたくさん失敗しているから、自分をなぐさめることは上手いのです。というか、立ち直りが早い。(∀`*ゞ)テヘッ
あぁ、でも、七万円……。
七万円あったら、あれもこれも買えるやん……。
そうして、自分のなぐさめ方は最終章に入ります。
早く市場を出てワードに入れっ!!!
何が七万円じゃっ!!!
ワードの世界は七桁だよ、七桁。\(^o^)/
結果はともかく、書いていれば幸せだって、これはある種の不幸なのか?
いやぁ、やっぱり幸せだよね。
エブの皆さまなら、マーナのこの幸福感をわかってくださるのではないでしょうか。
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