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「お会いになってないんですか?」 「まあ、兄弟でも中々帰らないと会わないですからね」 「でも、凄く似ていてビックリしました」 「そうですか?」 「目元がそっくりだと思います」 有栖と飛鳥がそんな話をしていると、ガラッと扉がスライドして有眞が入ってきた。 「母さん、待った?」 「ううん? 坂城先生とお茶してたの」 「ふふっ 呑気だね、全く」 有眞は飛鳥にペコッと会釈すると、有栖も立ち上がると会釈して待機部屋から出ていった。 「お弁当要らなかったね? 入学式なのに何やってるのかしら、私」 「いいよ、お腹空いたし」 「ふふっ やっぱり榛名さんそっくり」 「本当父さん好きすぎでしょ?」 「それは誰にも負けないかな」 有栖はフッと微笑むと、自信たっぷりな顔をしているのだから有眞も可笑しくなる。 「ほら、定番の校門で撮影しとくでしょ?」 「あ… でも撮影頼まなきゃ」 「私が撮りますよ」 「えっと、あなたは?」 「椎名夕華と申します。 有眞くんとは同じクラスなんです」 「有眞の母です」 「宜しくお願いします」 夕華はフッと微笑むと、有栖はははーんと言った顔をしていたがカメラを渡すと校門で撮影していた。 「有眞、お母さん中学の方行って来るね」 「え? 一緒に帰るんじゃ?」 「ふふっ 彼女なんでしょ? ちょっと寄り道してきたらいいじゃない」 「か、母さん?!」 「お弁当二人で食べてね」 有栖はフッと微笑むと、夕華にも手を振っては中学校へと向かったのだった。 「有眞くん、どうする?」 「夕華はどうしたい?」 「ふふっ じゃあ、屋上行って食べない? お母さん、作ってくれたんでしょ?」 「うん? じゃあ、屋上で食べよっか」 夕華と有眞が校舎へ戻って屋上に戻っていると、心は会室で紅茶を飲んで書類を見つめていた。 「黒の探偵さんの息子だったのか…」 「心、何見てんの?」 「莉斗、ほら氷」 「あ、ありがとう」 莉斗はフッと微笑むと、右頬に氷を当てて冷やしていた。 「心、返事ってないの?」 「あ… 無理矢理キスしたりしないって約束するなら、付き合ってもいいけど?」 「本当に?」 「何よ? 自分だって疑ってない?」 心がそんな風にムッとしていると、莉斗はギュッと抱きつく。
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