1.6メートル

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気づいていたの、いつしか君が私の方を向いていないこと。 ほんとは気づいてたのに、気づかないふりをして。 いつまでも君の優しさに甘えていたの。 ごめんね。ごめん。 本当にだいすきだったの。 嘘じゃないよ。 少し癖のある髪の毛も、そのくしゃっとした笑顔も、 無防備な寝顔も、全部、ぜんぶ。 全てが愛おしかったの。 いつから、噛み合わなくなったんだろうか。 思えば、最初からだったのかな。 隣に並んでいるつもりだったのに、君は一歩先を歩いていて。 小走りで後ろをついていく私が居た。 最初は並べたのに、いつしか追いつかなくなっていた。 …なんでだろうね。 私のほかに好きな人ができたのかな。 それとも、飽きちゃったのかな。 わかんないや。わかんない。 恋愛って、難しいね。 あーあ。 疲れちゃった。 大好きだったんだけどなあ。 今日からは、自分の歩幅で歩かなきゃ。
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