ダイエット開始

1/1

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ

ダイエット開始

 特別な食事療法も、運動療法もいらない。お手軽ダイエットに直ぐに取りかかった。 一日目。目標800キロカロリー。決行金曜日。 朝、バナナ。サラダ。 水分補給のためにスポーツドリンク。 実はスポーツドリンクはペットボトルから直接飲んでも酸性が強いので菌が繁殖し難いのだ。 その一方、日本茶や麦茶は菌が増える栄養分があるので簡単に変質してしまうらしい。日本茶に含まれるカテキンには菌をおそえこむ力は無いみたいです。 菌を増やさない対策はペットボトルから直接飲まないでカップなどに移すこと。 だからと言ってもスポーツドリンクが万能の訳ではない。長時間放置すると中身が痛む。従って、封を開けたらなるべく早目に飲みきることが大事なのだ。 昼は社員食堂で定食。 色々あるけど、専門家が献立を考えてくれているからカロリーも塩分も栄養面も申し分ないのだ。 夜、水分補給と体を暖めるために温かいスープ。 今日はプチ断食! と決める。今まで蓄えたエネルギーを使うためだ。 でもそこで問題が発生した。きっと匡がクレームを付けるに決まっているからだ。 それを回避するには私が料理をすることだ。 偶々適当に借りてきた本の中に鶏肉調理法が載っていたのだ。 まずビニール袋に水を百CCに砂糖5g、塩も同量入れる。その中に切り込みを入れた鶏の胸肉をなるべく真空状態にして約1時間冷蔵庫で漬け込むのだ。それをブライン液と呼ぶそうだ。 次に鍋に水を入れ、葱の青い部分と生姜大蒜酒を入れて沸騰させる。その中に鶏肉を入れてすぐに火を止め放置する。暫く置くと火が通るそうだ。 30分くらいして取り出しすぐに酒と塩を振り掛けラップで包む。 匡の食事は棒々鶏。雪那は残りのスープで 『味見をしてお腹ないっぱいだ』と言うことにした。 何故胸肉なのか? 元々鶏肉は他の肉と比べるとヘルシーなのだそうだ。その上、胸肉にはイミダペプチドと言う成分が含まれていて疲労感を軽減させてくれるそうだ。 だから匡のために料理をしたと言ったら喜ばれと踏んだのだ。 実は初音には会社で知り合いに会って『あれっお前太った?』って言われたことを打ち明けたのだ。 『でも、無理なダイエットは絶対に駄目よ』 初音にはそう釘を刺された。でも本当はがむしゃらにそうしたい雪那だった。  風呂。半身浴! 熱めに。長めに。 生姜入り紅茶、又は生姜湯を飲んでから入ると汗かき効率アップ。 生姜入り紅茶。 紅茶パックで普通に入れた紅茶にチューブ入り生姜を絞り出す。 (何も無理して高いドリンクを買うことは無いな) そう言い訳した。 雪那は百均でバケツとパズル本を買ってきた。 普通のお風呂にバケツを伏せて入れ、その上にお尻を乗せる。 そうするだけで、半身浴が出来るのだ。 今度は風呂蓋の上にビニールを敷き、新聞のクイズ面や一緒に買ってきたパズル本をなどを出して解く。 30分も入っていると、汗だくとなる。 休憩5分。これを二度繰り返し、最後に肩まで湯船に浸かり、体を温める。 出る少し前に薄荷飴を舐めると、体が寒さを感じ温めてくれる。 消費カロリーアップに。  カロリー消費。 寝ているより→起きる→座るより立つ→直立より歩く→ゆっくりより早足→ウォーキングより走る。 少しでも体を動かすと、その分カロリー消費になる。 ウォーキングが最適。30分以上がベスト! スチール缶入りのドリンクを冷やした物やスーパーなどで戴ける保冷のための氷一つを運動する前に項に付けで10秒! それだけで消費するカロリーを増やせるって借りてきた本にあった。 チョコレートをちょっこと食べも、不思議な事にカロリー消費に結び付くそうなのでこれを自分へのご褒美とした。  二日目、土曜日。目標1200キロカロリー! 朝、バナナ。パン。サラダ。ミルク。 昼。温かいうどん。蕎麦よりカロリーが低い。腹持ちもいい。 夜。具だくさんスープ。 それと置き換えぶっかけ白滝麺。 カロリーの殆どない蒟蒻と同じ成分の白滝。 これと椎茸を鍋に入れ煮立たせて、丼に移しメンツユをかけて戴く。 この時椎茸は冷凍した物を使用すると栄養効果がたかくなる。 半身浴。ウォーキング。身体を温めることが重要なのだ。  少し小腹が空く。 頭の中に旅行中食べたメロンパンが浮かぶ。 「あーあ、あのパン美味しかったな」 『メロンパンってカロリー物凄くあるのよ。そんなに食べて大丈夫?』 確かそう言われた。 それでも食べた雪那。 (太った原因……もしかしたら……) 早速近くのコンビニに徒歩で行って調べてみた。 「えっー!? メロンパン約1個140グラムが300キロカロリー!?」 太る筈だった。 雪那は旅行中、旅先で出会えたご当地メロンパンばかり食べていたのだった。 今度はその足でスーパーへ寄った。 普通のメロンパンのカロリーをこっそり調べるためなのに氷一つを項に付けてから探し回った。 「えーっ!! 熱量413kcal!?」 それは、良く買い食いしていた商品だった。 「ああ、サクサクメロンパン……」 雪那はショックを隠せなかった。 でも更に驚いた。 もう一種類のメロンパンは500キロカロリー以上あったのだった。 そこでカロリー控えめなドーナツを手作りする事にした雪那だった。 「えーと、ビニール袋に絹ごし豆腐とホットケーキミックスを入れて良くもむ」 ビニール袋の端を切りクッキングシートの上にドーナツ状に絞り出す。 それをオーブントースターで焼く。初音の書いてくれたレシピでスイーツ初挑戦。 「揚げない豆腐ドーナツ。なるほどこれなら確かにヘルシーだ。甘味が足りない時はハチミツ付けて……」 甘味は脳を満足させるらしい。 「少しなら気にしないで食べも大丈夫よ」 初音が言った。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加