ロッキングチェアは優しく揺れる
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目が覚めると、父は仕事に出ていて、僕はひとりぼっちだった。あれは、夢か幻だったのか。いや、夢にしては妙にリアルだった。 僕はふと思い立って、裸足のまま庭に出ると、ロッキングチェアに近づいた。そこには、昨日、父と見た時にはなかったマリーゴールドの花が一輪、置かれていた。その花に、そっと触れた。 「母さん、来年も来てね」
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