第一章・ー居眠りー

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 ーーどうして。  僕ばっかりどうして。  どうしてこんなにも不幸なのだろう。  いっその事友達と遊び、毎日笑っているだけで良かった子供の頃に戻りたかった。  嗚咽を漏らし。泣きじゃくり。持っていたスチール缶をぐしゃりと握り潰した拍子に、手にぴりとした痛みが走る。  缶を素手で潰したせいで鋭利な刃物のようになり、皮膚を傷付けてしまったのだろう。  流れ伝う血が、まだ僕が生きている事を訴えていて、死にたくなる程に虚しくなってきた。  辺りは暗い。真っ暗闇で、一寸先も見えない状態だ。  もう、この辺で良いか。  そう思い立ち上がろうとしたところで、足下にころころと、何やら丸くて光る物が転がってくる。  何も光がない筈なのに、やけに()()だけが綺麗に輝いていて、目に眩しいくらいに美しい光景に見えた。  ーー何だ?  不思議と怖くもなかったので、転がってきて以降全く動かない()()を手に取ってみた。  ーーああ。これは……。  真っ暗闇の中でもきらきら輝くのは、中に青い筋がマーブル状に入っているビー玉であった。  一見何の変哲もない物であったが、そのビー玉に僕は見覚えがあったのだ。  昔、大好きだったけど、告白も出来ないで離れてしまった女の子が大切にしていた。とても綺麗な色のビー玉だった。
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