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皆それぞれ、きゅうり以外を本体にした精霊馬だ。もはやそのゆるゆるの決まりすら破るものが来た。
「時代も多様性と言いますがもはや、食べ物に爪楊枝で四本足にして盆に供えられたらもうそれは馬なのです」
ブロッコリーやにんじん、カボチャもあったが、カリカリのベーコンがぐるぐる巻きにされた焼きトマトに爪楊枝を刺してできたぜったい料理として作られたような馬がチーズを垂らし、バーベキューの串に足を生やした馬が香ばしい香りを漂わせたとき、会場全員が生唾を飲んだ。
さて、皆それぞれスタート地点につく。
青鬼は時計を見ながらマイクを持つ。赤鬼は開始を知らせる大鐘を鳴らす丸太につながる綱を持っている。
「さあ、13日まであと少しとなりました!それでは皆さんカウントダウンお願いします」
「十!九!八!」
会場の熱気がピークになり、みんな己が空気に溶けたような気になる。
「七!六!五!」
騎手たちは手に汗と手綱もしくはハンドルを握る。
「四!三!二!」
赤鬼が綱を引っ張り、丸太が一緒に下がる。
「一!零!」
鐘が鳴り、馬たちはいっせいに走り出す!こうして今年も始まった盂蘭盆杯、今年は一体どうなることやら。
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