精霊馬アフターライフダービー

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 8月12日深夜11時、地獄の釜の蓋が開くお盆前日、刑罰規律を重んじる鬼たちにはある賭け事が許される。それは 「第1400回盂蘭盆杯精霊馬レースの開会を宣言します!」 現世で言う競馬、それを精霊馬でやるのだ。 「解説の赤鬼です」 「青鬼です」  二人の手にはしっかり馬券が握られている。 「皆さんちゃんと馬券は買いましたかー」  多くの馬券を持った手が伸び、会場の空気が湧き上がる。 「準備はバッチリですね!それではレースの説明をいたします。亡者たちが乗った精霊馬が地獄の底から始まり現世への関所にどれだけ早く着くか当てるというとてもシンプルなものです」  赤鬼が隣で意地悪そうに笑う。 「しかし、毎年のことながら地獄の底の厳しい環境に当てられて萎びる馬も多くいます。たまにですが、走る前からもうレースは終わっているそんなこともありますがどうか気を落とさずに!来年もあります!」  
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