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「ああ。 期間限定とかそういうのが好きなお前が、喜ぶかと思って買ったんだ」
「サンキュ」
「ああ」
「…」
元から言葉数の多いタイプではない佑に対し、おしゃべり好きな遼平がだんまりしてしまったせいで、不可思議な形で会話が途切れる。
(き、気まずい)
佑に押される形で話が続いたけれど、だからといって直ぐさま振られた話に返答できるほど、向けられた言葉をフラットに受け入れられない。
しかも、全ての出来事が脳を上滑りしているというか。
受け入れる以前に、考えること自体を拒否するように、佑の言葉を雲か霞のように感じている気がした遼平は缶を握りしめると、炭酸水だというのも忘れ、冷たい液体を煽り飲んだ。
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