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嚥下する音も立てず、飲み干した遼平は空にした缶をテーブルに戻すと、
「今日は、帰るわ」
と言って、佑を見ないまま、イスから腰を浮かせた。
「ああ」
「悪ィ」
そう言って軽く手を振ると、肩を返してドアの前まで歩いて行く。
そんな遼平を追う声や、動きを内心で警戒しながらドアノブに手をかけると、平静を装いながら、
「じゃあな」
と肩越しに声を放ち、佑の部屋を後にしたのだった。
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