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 晒された欲望に櫻井の手が直に触れると、ぞくりと快感が走った。 「ああ……」  先走りが零れ出したそれに、櫻井の指が絡みつく。ぬるぬると蠢く指に、徐々に体が熱くなる。 「ほら、気持ちよさそうだ。……お尻、上げてごらん」  言われるままに腰を上げると、クッションを挟まれて後孔が晒された。 「流れてきてるよ。ローションなんて、いらないね」  櫻井の指が、ぬめりを纏って中に入る。ぬるぬると出し入れされて、ぞくぞくと快感がこみ上げた。  ほら、相手なんて誰でもいい。 「気持ちいい……気持ち、いい」  櫻井の指が、薫の中で折り曲げられる。ぐりぐりと、いいところを探し出す。 「あっ、あ、そこ」 「ん? ここかい?」  いいところを擦りながら差し込まれる指は、気持ちが良かった。次第に強く押し込まれる指を迎え入れるように、薫の腰は無意識に揺れた。  一定の速度をもってズンズンと突き入れられて、ずくずくとしたたまらない快感が生まれる。それは、英司の逞しい腰の律動がもたらす、あの時の悦びに似ていた。 「あっあっ……えい、」  その瞬間、櫻井の指が一際深く突き刺さった。と同時に、一瞬で欲望が熱い粘膜に覆われる。 「ああっ!」  いきなり、快感の刺激が振り切った。  櫻井の指が深く突き入れられるのと同時に、欲望を喉奥まで飲み込まれる。そして顔を上げながら指を引き抜き、両方とも全部は抜かずに、また勢いを付けて両方押し込む。指が薫の中をぐり、と強く突く。欲望の切っ先が、柔らかい喉奥に当たって擦れる。  一定のリズムで繰り返されて、暴力的な程の刺激に、気持ちが良すぎておかしくなりそうだった。英司は、こんなことはしない。 「あっあっ、ああっ」  眼下で、上下に動く、櫻井の頭がいやらしい。思わず手を伸ばして髪を触る。 「あっあっ」  手の平に櫻井の頭が上下に揺れる様が伝わると、もう堪らなくなった。  気が付くと、薫は両手で櫻井の頭を掴んで自身の股間に打ちつけていた。櫻井は全く抵抗しない。それどころか、より深く薫の欲望を飲み込んでゆく。 「あっあっ、いくっいくっ」  先端に、喉の奥がうねうねとぜん動しているのが伝わる。後孔の中の指が、ぐりぐりと擦り付けられた。 「うぅっ! いく! んっ! んっ!」  押さえ付けた櫻井の喉が、きゅう、と締まる。恐ろしい程の快感が脳天にかけて、ばくりと突き抜けた。 「っあ! っあ、っあ、」  激しく、果てた。  どくり、どくり、と吐き出すたびに堪らない気持ちよさが全身を駆け巡る。 「は、は、……」  そして名残惜しそうにその波が引いてゆくと、薫の手から力が抜けてシーツにパタリと落ちた。  櫻井が、薫の欲望を口から出す。 「……ああ……英司……」  遠ざかる意識の中で、雨の音がまた聞こえた。
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