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序章
貴方が起こした事件をテレビのニュースで知ったとき、オレは職場の大型テレビの前で茫然自失となって立ち尽くし、子どもの頃の夏の烈しい日差しに輝く向日葵畑の情景とともに、当時ひと足先に中学生になったひとつ歳上のナミの美しい容姿と蕾のような唇が記憶に蘇ってきた。
母はなにも教えてくれはしなかったけれど、この宇宙のどこかで生きているはずの双子のアネに向かって、オレはいつも大切なことを語りかけながら成長してきた。烈しい日差しに汗をふき出し半ズボンを下ろされたオレは、飛びまわる蜂に慄きながら、蕾のような口でオレのペニスをふくんだナミの美しい顔に、双子のアネの姿を重ねていたものだ。翡翠のような汗が滲んだナミの顔よりも大きな向日葵たちは、やや上を向いて夏の太陽に毅然と対峙していた。校庭の登り棒を両股で挟んで昇ったおり不意に達したオーガズムがふたたびオレを上り詰め、そのままオレは身体を痙攣させながら、すべてを委ねるように大きく硬くなったペニスから生まれてはじめてなにかを放出させた。ナミの蕾のようなすべてをやさしく包む宇宙の入り口と思えた口の中へ……
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