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第三話
朝7時には朝食、みんなまだ眠いのか、ぼーっとしたまま飯を口に運んでいる。
また部屋に戻り寝た。
みんなも寝た。
揺り起こされ、時計を見たら九時半。
みんなが起きていた。
警察と消防が来てるから、話を聞きたいと下に降りてくるように言われた。
事情聴取は素直に興味本位で海岸に行った話をした。みんな別々に聞かれているが悪い事をしたわけじゃないからな。
話を終えると、消防の関係者が、昼過ぎに三十分ほど時間をくれというのだ。
二時から、リハーサルがあるからその前ならいいというジロさんに頭を下げ皆さんが帰られた。
十一時、中途半端だな?
サングラスに帽子を深めにかぶり、外へと出た。
「せいちゃんどこ行くの?」
散歩。
まって俺も行く!
結局みんなぞろぞろ、ジロちゃんはやにが切れたと、俺達に自販機を探すように命令。
取り敢えず、駅のほうに行きゃ何かあるだろ。
と歩き出した。
人波はこっちに向かっている、泊まり組だ。
それと反対方向に向かい始めた、そうだ、確か一本こっちは路地裏、ビンゴ。
町というか家を見ながらゆっくりと歩いた。
古い漁港、低い家並み。ザッ日本だよね?
なんて言っている。
♪波の~谷間に、命の花が二つの並んで咲いている~♪兄弟ぶねーのフフフン――
なんて、演歌を鼻歌で歌詞もわかんねーのに歌ってる奴に笑っていた。
両手をポケットに入れブラブラと、そのへんを歩いていた。
俺は何となくあの瓶を探していた。
店がありゃわかるんだけれどもな?
自動販売機が見えると、その近くの家をのぞいてみた。
開け放った扉の奥に海?が見えている、最高のロケーションだな。
「なんでよ!」
「なんでっても、もう花火なんかあげてないんだよ」
喧嘩?
その声の方に近づいていった。
低い家は屋根が俺たちの真上ぐらい、腰をかがめ、声のする方へと向かって行く。
「せっかく帰ってきたのに、なんで、日本の花火見たくて帰ってきたのに!」
ふわっと、目の前を金色の髪が横切った。
お?
「ジュン!」
ジュン?あれ?どこかで聞いたような?
その子の行く方をみんなが目で追った。
ばばあ?が金髪の子を追いかける。
あの子は昨日の子?
さあ?
横切っていく風圧でよろけ、側にあたったものにあたるとガシャンと音がした。
「あら、あら、すいませんね」
「いえ、今の子は、ここのお子さんですか?」
「ええ、なにか?」
いや、別にというと、婆さんは俺を上から下まで見た。
グラサンにアロがシャツ、ぼろぼろのジーンズ姿。
「あんたたちは昨日の?」と彼女は言ったんだ。
すると俺の手を取って、生きててくれてありがとうと言った。ケガは?どこかケガしてないかという。
擦り傷程度で大丈夫だった話をした。
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