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やっぱりだめか?
「でね、これ、あれ?どこだ?」
ポケットを探り、出てきた物を広げて見せた。
「クレヨン」
ン?鉛筆だよな?
「インクが消えていてね、こっちがいいと思うよ」あとね、此れ。
「なんだそれ?」
「ラップだよ、口に当てて、キャップを閉めたらいいだろ?あと中もこれに入れて栓をするんだ」
「ストロー?」
そう、これに入れて端っこを焼けて石で押さえれば水は入ってこない。
「せいちゃんすごいね」
「せい?」
あー俺、君と似てるんだよ。
俺は足元に石で、彼女の名前を書いた。
「ルー・平田・純あってる?俺の名前は、平 誠二(たいら、せいじ)似てるだろ?」
俺はね、小田久(おだひさし)ヒーちゃんって呼ばれてるんだ」
「ヒーちゃん?」
yes、yesなんて言ってるよ。
どうする?やってみる?
うんと彼女は笑った。
三人で一生懸命作って、水が入らない物を作った。
そして、投げると割れるから、出来るだけ遠くに流した方がいいといいといったら彼女は寂しそうな顔をした。
「ジュンちゃんはいつ帰るの?」
「明日」
「そっかー、なんかないかな?」
「船に乗せればいいのに」
誰が乗せるんだよ?
漁師さんにたのべばいいだろ?
してくれるか?ゴミだぞ?と俺は小さな声で言った。
どうしようか?と考えているとスマホがなった。
「やべ、始まる」
まだ大丈夫だろ?
帰ってこいだって。
マジかー。
あ、そうだ、今日もあそこだよな?
あそこって?
民宿、明日の昼帰るんだろ?
「は?それなし、今晩帰るって言ってたぞ」
「まじかよ、荷物は?」
ジロちゃん車に積んだぞ。
マジか?んー、あ、そうだ。
「ねえ、純ちゃん、ちょっと行かない?」
「は?まずいだろ?」
ああそうか、でもさ、チケットとか、名刺、そうだ、ジロちゃんに名刺もらおう。
どうすんだよ?
SNSだよ!
俺達は彼女の手を握り、ステージのバックへ。
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