県境の廃別荘にて.mp4

1/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「本当に行くのか?」 「当たり前だろ。なんだよ、ここまで来てビビってんのかよ?」 「でもよ、ここ、なんか……暗くなってから来てみると、ほんとヤバそうな感じしねえ?」 「そうか?」 「なんかよ、ちょっと背筋がちりちりするような感じがするというか……」 「身体が冷えてるんじゃねえの? オレもちょっと真夏にしては涼しい気はしてるよ、でも何しろ、山の中だしな」 「そういうんじゃないような……」 「んー、じゃあいいよ、オレ一人で撮影してくるからさー」 「え、……や、タツが行くってんなら行くよ、行きますよ」 「そんなら、最初からごちゃごちゃ言うなよな。じゃあ、録画始めるぞー」 「……はい、こんばんはー」 「こんばんはー」 「『タツ&クニのぶらり心霊探訪』のお時間でーす」 「今日はですね、とある県境の山奥にある廃別荘にやってきております」 「なんて説明しているクニですがー、先ほどまでマジでビビっていましたー」 (『※この直感は正しかったと、後ほど判明することになる……』というテロップが表示される) 「おいちょっと、タツ、暴露するのやめてもらえる?」 「相棒として弱気な人がいると不安なんですけどー、これから探索してみようと思いまーす」 (『※ここで考え直しておけばよかった……!』というテロップが表示される)
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!