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「本当に行くのか?」
「当たり前だろ。なんだよ、ここまで来てビビってんのかよ?」
「でもよ、ここ、なんか……暗くなってから来てみると、ほんとヤバそうな感じしねえ?」
「そうか?」
「なんかよ、ちょっと背筋がちりちりするような感じがするというか……」
「身体が冷えてるんじゃねえの? オレもちょっと真夏にしては涼しい気はしてるよ、でも何しろ、山の中だしな」
「そういうんじゃないような……」
「んー、じゃあいいよ、オレ一人で撮影してくるからさー」
「え、……や、タツが行くってんなら行くよ、行きますよ」
「そんなら、最初からごちゃごちゃ言うなよな。じゃあ、録画始めるぞー」
「……はい、こんばんはー」
「こんばんはー」
「『タツ&クニのぶらり心霊探訪』のお時間でーす」
「今日はですね、とある県境の山奥にある廃別荘にやってきております」
「なんて説明しているクニですがー、先ほどまでマジでビビっていましたー」
(『※この直感は正しかったと、後ほど判明することになる……』というテロップが表示される)
「おいちょっと、タツ、暴露するのやめてもらえる?」
「相棒として弱気な人がいると不安なんですけどー、これから探索してみようと思いまーす」
(『※ここで考え直しておけばよかった……!』というテロップが表示される)
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