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「コンバンハ」
それが、銀河系標準語だったので、私は少し身構えた。
まだまだこの新しい言語での会話には自信がなかったからだ。
「アナタハ、エヲカクヒトデスカ?」
つっかえながら繰り出した構文通りの質問で、
どうやら、この若者もそれほど堪能ではないらしいということが分かって、少し気が楽になる。
思わず、首を横に振る。スケッチはただの趣味だ。
趣味、という単語がとっさに出てこないのがもどかしくて、うなっていると、目の前の若者が
「シュミ?」
と助け船を出してくれた。
苦笑いしながら、今度は、うんうん、とうなずいて見せた。
本当の本心を言えば、
「地球最後の夜は一人静かに過ごしたいんです。お話はまた別の機会にぜひ」
なんていうことを、言いたかった。でも、そこまでの語学能力はなく、
これから長く旅を共にすることになる仲間をあまり拒絶するようなこともしたくなかった。
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