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「ワタシハ オジイサン、ニホンジン」
文法的なことはともかく、若者の言いたいことは理解できた。
はっとして、若者の顔を見ると、ばちりと目があった。
若者は、共通語も英語も、ちょっとだけ日本語も交えて、いかに日本が好きか、話し出した。
聞いているうちに、多分、血縁に日本人がいる、ということではなく、
仲の良くなった日本人のおじいさんがいて、日本が好きになった、ということなんだろうな、ということが分かってきた。
話に勢いがつくにつれて、若者の言葉には、英語の割合が増えていった。
そして、おじいさんは演歌が好きだった。自分は演歌には興味がなかったけれど、最近聞いてみたらとても良かったので、これから、いろいろマスターしようと思う。
時間はあるし。
だから、ギターを持ってきた。
もう少し上達したら、発音とか、チェックしてもらえますか?
・・・というようなことを、英語で言っていたということで、ほぼ間違いないと思う。
私は、ほとんどうなずくばかりの聞き役だったし、
実は聞き流しているところも、意味が分からないところも結構あった。
それでも、分かってくることもいろいろあって、その一つは、
「目の前のこの若者は、ずっと私に話しかけるタイミングを狙っていたのだろう。」
ということだった。
そしてそれは、単純に、うれしかった。
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