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夏祭りの誓い
夏祭り終わる直前に、廃棄処分される金魚を4袋の中にいっぱいもらってきた。水合わせをするため、袋に金魚を入れたまま、水槽につける。大体30分くらい経ったら水槽に放てばいい。金魚がすいすい泳ぐのを楽しみにしていた。
「ごはん食べに行くぞ」
「水合わせまでにまだかかるよ。終わってからじゃないと」
「そんなこと言ってたら、店閉まるだろうが。すぐに行くぞ」
「でも」
「水合わせなんかしなくても、もう金魚出していいんじゃないの?」
「だめだよ。これは大事なことなんだから。温度差にびっくりして、死んじゃう」
「じゃあ戻ってきてから出せばいいだろ。屋台で食べたくないって言ったのは、ちいちゃんじゃないか。ほら、行くぞ」
「……わかった」
一時間後、戻ってきたら、金魚は全滅していた。もともとぎゅうぎゅうで袋につめられていた金魚。酸素が足りなくなったんだ。わたしは、これでもかというほど号泣した。二度と、他人の意見には耳を貸すまいと心に誓った夏祭り。
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