募る愛しさ

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 抱きしめる。  抱きしめて、愛しさを伝える。  『愛しさが増す』  淳の言葉を思い出す。  切ないくらいこの人が好き……。  どうにか熱を納めて、仕事に向かった。  事務所で溜まった書類や原稿をチェックして、スケジュール調整をして、予定を詰めて……。  あっという間に時間は過ぎて、マンションに帰った。  『仕事に行ってくる 空』  リビングの上にメモ。  空也の仕事場ってここじゃないの?  不思議に思いつつスーツを脱いで風呂に入り、部屋を出る。  歩いて駅前のコンビニまで行って、おにぎりとカップケーキを買って帰った。  空也はまだ不在で、携帯にメールで『遅くなる』と入っていた。  リビングで1人それらを食べて、書庫で本を読んで遅い時間になったので自室のベッドに潜り込んだ。  こんなに静かなのはここにきて初めてでどうにも落ち着かない。  ベッドで何度も寝返りを打って、目を閉じる。  『明日まで待て』  思い出して、耳まで赤くなる。  それってやっぱり明日には抱かれるって事だろう……。  頷いてしまったけど……。  どうしたらいいんだろう。  何かする?  いや、される方ですし……。  準備がいる?  淳に聞こうか?  直樹君に聞く?
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