答え

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「わかった」  そう言ってホテルに入って行った。事務所で待つ潤を迎えに行く。  駅前を通る時に喫茶店を見るが、すでに閉店していた。  事務所の駐車場に車を止めて中に入る。 「潤はいますか?」  受付で聞く。 「中にいますよ」  急いで中に入っていく。 「只今戻りました」  応接セットに潤が座っている。  手には淳の名刺入れ。 「これ、預かったわよ」 「ありがとうございます」  受け取ろうとするが、そのまま腕を引かれて受け取れなかった。 「あの子だれ?」 「会ったんですか?」 「私がここに来た時にちょうど上がってきたのよ。『困っている時はお互い様ですから』って、『昨日は助けてもらった』とかなんとか言っていたけど、何のこと?」 「えっと……」  昨日の痴漢の件を話す。潤はニヤニヤ笑いながら話を聞いた。 「あいつもお節介よねぇ~。わざわざ首を突っ込まなくてもいいのに……」 「そうですね」  潤が指さすので、仕方なく向かいの席に座る。 「でも、可愛い顔してるわね。磨けば光りそうよ」 「私はよく見てないですから」 「そうなの? モデルにスカウトするなら早いほうがいいわよ。で、私にちょうだい」
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