募る愛しさ

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「そうですね」  普通のサラリーマンよりは時間は不規則だが、その分、自由な時間もある。 「昨日は仕事してたんですか?」  ベッドに来なかった理由を確かめる。  ちょっとだけ不安になったから。 「良いアイディアが浮かんだからな」 「良かったですね。寝不足なんじゃないですか?」  遅くまで書いていたんだろう、今朝も私より早くおきていたし、いつ寝たんだろう。 「添い寝してくれるのか?」 「そんなこと言ってません」  入れてくれたコーヒーを受け取る。空也はホットミルクを飲んでいるところをみると、これから寝るのかもしれない。 「時間があるなら付き合え」  寝室の方に歩いていく。 「私は寝ませんよ」 「お前も寝不足なんじゃないのか?」  ニヤッと笑う。  眠れなかったのは本当だけど、明け方少し寝れたのでこれから寝ようという気にはなれない。  第一、今から寝ても2時間後には出なければならないし、ぼーっとしてしまう。 「来い」 「ちょっと……」  リビングの机の上に飲みかけのコーヒーを置かれて、寝室に連れて行かれる。 「私は寝ませんよ」 「起きてたらいい」
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