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そう言って、ベッドに座らせられて、その横に空也が潜り込んだ。
勝手に膝に頭を置く。
「ちょっと空也」
「なんだ」
「私は起きてたいんです」
「なら起きてたらいい」
そう言って目を閉じた。
仕方なく眼鏡をサイドボードの上に置いて枕を背中に挟んでベッドのヘッドボードに持たれる。
布団を肩までかぶって、すでに寝息を立てている。
どこでも寝れるって言ってたけど、本当に寝れるんだな……。
それとも疲れてる?
頭を使うと糖分が欲しくなるって聞くけど、空也は甘い物はほとんど口にしないから、その分寝るんだろうか……。
眠っている空也の髪の毛をそっと撫でる。
自分の髪質は違う手触り。
少し固くて、真っ黒い。
いつもは掻き上げている前髪が寝ているせいで顔に少しかかっている。
髭も伸びたままだし……。
この髭がキスする時に少しだけ痛い。
顎を通って首に流れる時もちくちくする。
でもそれがリアルに感じられてドキドキもする。
少しだけ……。
髭の生えた顎を触った。
「……何だ?」
うっすらと目を開ける。
「起こすつもりじゃなかったんです……。寝ててください」
「くすぐったい……」
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