募る愛しさ

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目を閉じたまま顎に置かれた手が放れるのを待つ。 「待ってるからな」  耳元でささやかれる。  それだけなのに……。 体温が上がった気がする。 「行ってきます」  上気した顔を見られたくなくて、俯いたまま玄関を出た。
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