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本名は八島淳。
双子の姉の八島潤も同業で、『JYUN』をやっている。
双子であることはまだ公表していない。先にモデルの仕事を始めた潤のスケジュール調整のために女装して『JYUN』をしているのだ。
2人とは幼馴染で誰もが知ってる大女優の隠し子でもある。
何かと秘密の多い2人のマネージャーを兼任してる。
宮初音(ミヤハツネ)。食べてもあまり太れない体質のせいで、細身の長身に銀縁の眼鏡をかけている。25歳だと言うと、「落ち着いてる」と言われるが冷たそうに見えるらしい。自分では意識してないので分からない。
「着きますよ。くれぐれも人に見つからないようにお願いしますよ」
「はいはい」
駅前で淳を降ろして、その背中を見送ると急いで潤の元へ向かう。
帰宅学生が多い時間帯。
道路が込む時間にはまだ早いが、事故があったようで車が進まない。路肩に車を寄せて停めると潤に電話をかけた。まだ撮影中なのか、電話に出ない。イライラしながら助手席に携帯を投げて、青に変わった信号を通り過ぎる。
予定より大分遅れて潤の撮影所がもうすぐというところで、携帯が鳴った。急いで路肩に車を停めると携帯を取った。
『宮?』
電話の相手は潤。電話の後ろからは撮影現場の喧騒が聞こえる。
『今日は日比谷が迎えに着てくれることになったから、迎えに来なくていいわ』
早口に言うと後ろで呼んでいるスタッフに潤が何か叫んでいた。
『淳に連絡が付かないって事務所から連絡きてるわよ』
「すいません。捕まえてみます」
そう言って電話を切る。
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