出会い

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 時谷の書いた本を殆ど読んでいるが、モデルや俳優、芸能活動のシーンには覚えが無かった。  ぼーっと椅子に座って待っていると淳がスタジオから出てきた。 「終わったんですか?」 「終わった。お腹空いた。宮、おごってくれるんだろ?」  さっさと自分の鞄を持って先に立って歩き出す。 「早かったですね」 「そう? いつもよりテンション高くてね。調子よくできたよ」  鼻歌でも歌い出しそうな機嫌の良さ。自分の気分によって撮影のテンションも変る。直樹君の影響が少なからずあったようだ。 さっきおごると言ってしまった手前、イヤとも言えずに仕方なく夕食を食べに出掛けた。
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