ー1一

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あれだけ仲良くしていたのに、どうしてあんなにも簡単に関係を断ち切れるのか。 最初はかなり戸惑ったが、よく考えると彼女のことを何も知らない。 彼女が1人で暮らしていた六本木の部屋にはよく遊びに行ったが、実家がどこで親が何をしている人なのかは全く教えてくれなった。 きっと何か事情があるのだろう。 そのうちひょっこり、どこかの国の要人としてニュースに現れるかもしれない。 だって彼女は、「世界を救う」と宣言してアメリカに渡っていったのだから。 もうすぐ7時だ。 そろそろ出かける準備をしなければ。 携帯を置いて立ち上がろうとしたとき、LINEの通知が来て画面に表示された。 「警視庁勤務初日、頑張ってね」 職場の同僚からのメッセージだ。 警視庁……? しまった。そうだった今日だった。 慌てて警視庁を検索し、地図でガイドを出す。 あと15分以内に家を出ないと間に合わない。 どうしていつもこうなるのかなぁ! ベッドから跳ね起きて洗面所に駆け込もうとした瞬間に、壁に足の小指をぶつけて悶絶する。 どうせ今日もろくな一日にならない。 そう確信した瞬間だった。
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