ある夏の夜

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アキは遠くに行きたいと思った。 ずっと暮らしてきたこの街から出て、 うんと遠くの知らないところに行ってみたいと思った。 今住んでいるこの街は賑やかで便利だ。 毎日特に辛いことがあるわけじゃない。 この街でアキは 無表情に今日と同じ明日を繰り返す。 この先もずっと。 ときどきちょっと悲しい気分になりながら。 ときどき、何で生きているんだろうと思ったりしながら。
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