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「いやっ、決まりだ! いいじゃんか、大丈夫だよ。俺がちゃんと、迷子になんないようにヒナのこと見張ってるし」
「む……その言い方。わたし子供じゃないんだけれど。別にそういう心配してるわけじゃないしね」
「あはは。まぁほら、一度行ってみて嫌だったら戻ってこようぜ。だってさ、もったいないだろせっかくの一年に一度のイベントなんだから」
「そう言ったって私は、花火を見ることできないのよ?」
「だから見なくていいんだって、感じるんだ。見るな、感じろ! 花火を」
「……なによ、その妙な言い回し」
「んま、行けば分かる。だから、な?」
「はぁ……かったわよ。そこまで言うなら」
「よしっ! そうだよそうこなくっちゃな」
嬉々とする声をかわすように私の顔は横を向いた。きっと、にこやかな笑みを浮かべてるんだろう。私と違って声に気持ちがそのまま乗っかってるような人だから、良くも悪くもわかりやすいのが彼だ。
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