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 私は生まれつき目が見えない。だからみんなが言う花火の色も分からない。こうして話しかけてくる、トキタ君の顔もまた分からない。まぁでも、想像ではたぶん目は大きくて爽やか系な感じかしら。部活はやってないみたいだから、色白かな。  彼は高校からの友達。最初はみんな、私をイロモノ的な目で話しかけてきてたけど、いつの間にかその頻度は薄くなり……やがて彼だけになった。だから今はトキタ君が唯一の友達みたいになっている。そんな状況を招いたのは、私が原因なんだろうけど。  そう言えば……どうして彼は、私に変わりなく一年の時からこのニ年の夏まで話しかけてくるのだろう。もしかして―― 「おい、ヒナ? 大丈夫か?」  不意な言葉に指がぴくついた。 「……えっあいやその。んー、別になんでもないわ」 「もしかして、やっぱり俺と二人じゃダメか?」 「そんなんじゃないわよ、ただ……」 「ただ?」 「わたし……歩くの遅いし。他の人と行った方がトキタ君も楽しめるんじゃ」 「はぁ……またそんなこと言ってる。あのさ、そういうとこだよ」 「え?」 「誰かを理由にすんな。
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