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「それもだけど、髪型もな。普段いっつもストレートにしてるけど、そうやってくるってしてると大人っぽい感じで。違った雰囲気に見えるよ。実は俺もさ、気合い入れて丸刈りにしてきたんだぞ?」 「え、なに。嘘でしょ丸刈りって……」 「くふふっ、実は嘘でしたぁ」 「む……やめてよ、意地悪くない?」 「ごめんごめん、俺も髪型とか変えられればなぁ。縮毛矯正すればいけんのかな」 「癖っ毛だって言ってたものね」 「だから、ストレートなやつ見るとちょっぴり羨ましい。でもまぁこれも生まれ持った個性だから、それは生かさないとな。たまには遊びたくなるけどよ」  生まれ持った個性ね……私に言ってるのかしら。彼のことだから、意図せずだろうけど。  だんだんと日没に近づいていってるのが、明度の強弱でわかる。私はこれまで花火はしたことがあっても、花火大会には行ったことがない。ましてや、ここまでの人混みにも挑んだことはない。たとえこの目で見えなくても、思い出にはなるのかしらね……。  すると溌剌とした声がトキタ君を呼んだ。 「トキタ! 来てたのかよ!」 「お、ムカイか! なんだよ今日は凄い気合い入ってるな、そんな服着て」
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