夏のせい

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大学卒業後、俺は普通に就職をし、ゆうは大学院へ進んだ。 忙しくなった俺は、ゆうどころか、人との連絡をあまり取らなくなった。 休みの日も最低限しか動かなくなり、毎週待ち受けている、慣れない仕事にしがみつくのが精一杯だった。 誰かと遊ぶ労力も、趣味に浸かる余裕もなく いつの間にか、全てが面倒くさく思うようになっていった。 勿論、ゆうからの連絡もなかった。 …今日までは。 「久しぶり。もし良かったら、どこかで逢えないかな?」 いきなり来たメッセージに、俺は動揺していた。 一度は途絶えかけた関係だ。 このまま自然消滅するものだと思っていた。 別に復縁したいとかいう気もなければ 逢って何をするわけでもない。 それなのに わかってるのに どうして 俺は…
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