縁日の夜に

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 その後も毎年、祖父母の家には遊びに行っていましたが、年齢が上がるにつれて僕はついて行かないことも多くなり、いつしかユメコちゃんと遊ぶこともなくなりました。  そうして月日が経ち、大人になった後のことです……。  久々に祖父母の家へ遊びに行った時にふと思い出し、「そういえば、ユメコちゃんっていう近所の子とよく遊んでたなあ…」という話をぽつりと漏らしたんですが、すると両親はもちろん、祖父母もそんな子は知らないというんです。  祖父母の話によると、〝ユメコ〟なんていう名前は聞いたことないですし、近所にそんな子のいる家もないみたいなんです。  あの縁日の夜のこともですが、ユメコちゃんという友達と遊んでいた記憶も果たして現実のものだったのか……それとも、すべては僕の妄想が造り出した白昼夢だったのか……今となっては、もう確かめる術もありません。                       (縁日の夜に 了)
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