あの夜のことは今でも僕の中に鮮明にあるよ

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 彼女の名前は小山結美(こやまゆみ)ちゃん。 初めて会ったときから明るくて清楚な感じが好きだった。 僕は「芦ノ湖花火大会に二人だけで行かない?」と聞くにはどうしたらいいのか考えあぐねていた。変な雰囲気になった場合、取り繕うのに自信なんてなかったし。 そんなことをしているうちに花火大会の日はどんどん迫って来ていた。 その日、丁度、課長に呼ばれてエレベーターに乗ったところに彼女も急ぎの件で慌てて乗って来たと言う偶然。 二人だけだったので思い切って用件だけ切り出してみた。 「あのさ〜今度、芦ノ湖花火大会があるみたいなんだけど二人で行ってみたりなんかしてみない、か、な?なんて思ってるんだけど……」 焦るあまりへんな言い回しになってしまった。 結美ちゃんは笑いながら、 「うん、芦ノ湖行った事ないから行きたい……」 そう言って最後まで笑いながらエレベーターを降りていった。 呆気に取られて一瞬ヘナヘナっとなったが、次に大きくガッツポーズをしたよ。 案ずるより産むが易し! 昔の人はよく言ったもんだ! 課長の所に行った僕は何だかやる気がみなぎっていた。
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