雨の呪いと星間将棋

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 ショックだった。何か仲間はずれにされたような、疎外感を抱いた。いやそれだけじゃない。ボクを特別な目で見ている視線が痛かったのかもしれない。  ボクは体育館から飛び出して、校舎を抜け出し、ずぶ濡れになりながらなんとか居場所を探った。けれどもどこにも居場所なんて見つからない。結局木の下にしゃがみ込んでいこんいるのを、先生に発見されて体育館に戻された。  それからボクは、誰ともひと言もしゃべらずに家にトボトボと帰ったんだ。気のせいか、いつもの雨よりも激しさが増しているように感じた。びしょ濡れになって冷えたボクの身体を母さんはぎゅっと抱きしめてくれて、少し身体は温まったけれど、ボクの心は相変わらず冷たくなったままだった。
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