寝起きのこと

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寝起きのこと

〜静久視点〜 朝。 セットしていたアラームが鳴り、少し寝ぼけながらもそれを止めると私の一日が始まります。 それから着替えて朝食の準備をするのですが…。 なにかに身体が押さえつけられてるようで動けません。 原因は分かっています。 私を抱き枕の様にぎゅっとしながら寝ているお姉ちゃんのせいです。 私達の部屋は別々なのですが、かなりの確率でお姉ちゃんは寝ぼけて私の部屋のベッドへとやってくるのです。 なので、今回もきっとそうなのでしょう。 すごく幸せです。 朝から大好きなお姉ちゃんにぎゅってされて、かわいい寝顔が見られるのですから。 ですが困りました。 正直このまま永遠に抱きついていてほしいのですがそういうわけにもいきません。 私の計画のためにもなんとか起き上がらないと。 どうしようかと悩んでいた私は、まずはお姉ちゃんの寝顔を眺めることにしました。 すごくかわいいです。 そこら辺のアイドルなんかより遥かにかわいいです。 いえ、訂正します。 お姉ちゃんのかわいさに勝てる人間なんていません。 それ故に、お姉ちゃんに寄ってくる悪い虫も多くて困るのですが…。 まぁ、今はそっちの問題は置いておきましょう。 さて、幸い左腕だけは動かせるので、お姉ちゃんのほっぺをツンツンします。 すると、にへらぁと笑顔になるお姉ちゃん。 「………っ!」 あまりのかわいさに変な声が出そうになりました。 とりあえずこのかわいいお姉ちゃんはスマホで写真を撮っておきましょう。 これでお姉ちゃんコレクションがまた増えました。 っと。 お姉ちゃんが寝ている間しか出来ないからってつい目的から逸れてしまいました。 このまま眺めているだけではだめですね。 なんとか起こさない様にお姉ちゃんを剥がさないと。 ゆっくり…ゆっくり…と。 ですが、あと少しのところで「む〜!」と嫌がる表情をするお姉ちゃんは今度は顔を埋めて抱きつかれてしまいました。 さらに密着されたことによってお姉ちゃんの良い匂いがしてきます。 ずっと嗅いでいたいです。 この誘惑に勝てる人なんているんでしょうか…。 まぁその前にそんな状況になる相手が私以外にいるなんて許しませんが。 さて、この状況…。 さっき以上に幸せなことになってしまって…。 離れたくない気持ちでいっぱいになってしまった私です…。 どうしましょう…。 〜楓視点〜 朝。 目を覚ますと抱き慣れた感触を感じる。 えへへ〜。 今日はちゃんと静久ちゃんがいてくれる〜。 ほぼ毎日寝ぼけたふりをしながら静久ちゃんのベッドに潜り込むんだけど、目を覚ますとたまにいなくて〜。 泣きそうになりながら、起き上がることがあるんだけど今日は大丈夫みたい〜。 は〜。静久ちゃんにずっと抱きつけるこの時間はほんとに幸せ〜。 いつも抱きついたらすぐに離されちゃうもん〜。 ずっとこの時間が続けばいいのに〜。 って、待って待って〜! なんか静久ちゃんがわたしを引き剥がそうとしてるんだけど〜!? きっとわたしを起こさない様にしてくれてるんだと思うけど。 そんな優しい静久ちゃんも大好きだけど…。 でも、やだやだ〜! 静久ちゃんと離れたくない〜! わたしは「む〜!」っと嫌がりながら、ぎゅっと抱きしめ直して今度は顔を静久ちゃんの胸へと埋める。 すると静久ちゃんはわたしを引き剥がすのを諦めたのかなにもする気配がない。 ふふふ〜。今のうちに堪能しないと〜! は〜。静久ちゃんの良い匂いでいっぱいだ〜。 危うく静久ちゃんに引き剥がされそうになったわたしだったけど、幸せな時間をまた手に入れることに成功する。 大好きだよ〜!静久ちゃ〜ん!と心の中で言いながら、もう一度眠ろうと思った時だった。 ぐ〜〜!っと突然大きな音がなる。 わたしは「ひゃうっ!」っと驚きながら、慌てて音の原因であるお腹を押さえるのだけど…。 「お姉ちゃん…?もしかして起きてるの…?」となんだか震えながらも、わたしに尋ねる静久ちゃん。 も〜!なんでなんで〜!わたしのばかばかばか〜!と心の中で怒りながらも「ね、寝てるよ〜。すやすや〜。」と誤魔化すことに。 だけどそんなの通じるわけもなく…。 「お姉ちゃん?いつから起きてたの?」と声が低くなったので「静久ちゃんが引き剥がそうとしている時だよ〜…。」と正直に答える。 すると「そっか…。あの時…。なら大丈夫かな…。」と呟いている静久ちゃん。 「静久ちゃんごめんね〜…。朝は忙しいのに〜…。」と謝ると「別にいいよ。いつものことだから。」と言ってくれる。 静久ちゃんは怒っている様子はなく、嬉しくなったわたしは「ありがと〜!静久ちゃ〜ん!」と抱きつく。 すると「わ、わかったから!抱きつかないの!」と引き剥がされたわたしは「む〜!姉妹なんだからいいじゃ〜ん!む〜む〜!」とふてくされる。 「うるさい!着替えるから出て行って!」と怒っている静久ちゃんに「冷たい〜!」と捨て台詞を吐いて自分の部屋へと着替えに戻ることにした。 どうせなら一緒に着替えたいけど、これ以上はほんとに怒られそうなのでや〜めた。
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