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と、言う訳で…。今まで降りたこともないような駅のホームを歩き、構内のトイレまでやって参りました。
こ、これは…。某芸人のせいで、今なお悪名高き多目的(意味深)トイレ!何ならホテル代くらい、お出ししますよ…。と言いたい所だけど、あいにく薄い本を買いすぎて持ち合わせがないや。まぁ、いいかな。なかなか綺麗ではあったし、逆にちょっと興奮するかも。
「…良かったのかい、ホイホイついてきて」
おおっとー?痴漢のお兄さんがやっと喋ったと思ったら、お手本みたいなセリフを吐いてきたぞ!?俺はノンケでも食っちゃうんだぜ、とかですか?ってか意外と、入○自由みたいな美声なんですね。えぇと、こう言う時の模範解答は何て言うんだっけ…。
「…大丈夫です。俺、お兄さんみたいな人が好きだから…」
よっしゃ、100点満点!これが仮にバイトの面接であるなら、間違いなく受かったやろ。お兄さんは満足したようにサングラスを取って、俺に唇を重ねてきた…。
いいのかな。ファーストキスがこんな駅トイレ内で、変質者に舌までブチ込まれたとか。まぁ…時系列は前後するけど、作品内でキスするのは初めてでもないからいいか。作者はいきあたりばったりだから、中学時代あたりでファーストキスの話を書く可能性がなきにしもあらずだしね。
と言うかお兄さん、サングラス取った中身もイケメンだ…。俺の三人の兄貴もそれぞれイケメンとは言われてるけど、また系統の違った感じ。嫌いじゃない。でも何だか、この顔と声には覚えがあるような?まさかね。こんな、満員電車でケツ揉んでくるような知り合いは(三番目の兄貴以外には)いません。
と言うかキスしながらだけど、Tシャツの中から手突っ込まれて乳首弄られたんで声上げそうになった。まぁ、舌も突っ込まれてたので声にはならなかったけどね。だけど、ビクンって反応したのは伝わったみたい。
「…雪兎くん、乳首弱いんだね」
痴漢のお兄さんが、口を離して言う。あれ俺、自分の名前言ったっけか?でも、気持ちよすぎて深く考えることが出来ない。
「…うぅ。お兄さんが弄りまくるから。それ、やめてぇ…」
まぁ、実際にはやめてほしくないんだけど。アレだよ。嫌よ嫌よも、好きのうちってやつね。口では嫌がっても、下のお口は正直やぁ…。
当然、痴漢のお兄さんはやめる気配もない。なおも乳首を弄りながら、ズボンのファスナーを下げてパンツごしに俺の俺自身をまさぐってきた。
あまつさえ、そのパンツを降ろして俺の俺自身(年齢制限設けてるから、チ○ポって言っちゃっていいんだけどね)を咥えてきただとー!?だっ駄目。さっきから散々弄ばれたので、すぐにでも…。イっちゃうー!
…あぁ、イっちゃった。これまた声は抑えたので、だいぶ快感増した気がするぞ。結構な量、お口に出しちゃったみたいで本当に申し訳ない…。と思ったけど、お兄さん何のためらうこともなく飲み込んじゃった。
どうしよう。俺も、お兄さんのを気持ちよくした方がいいのかな…?と思ったけど、お兄さんは自分の鞄からカチャカチャと何かを探して取り出した。あの特徴のある形状の容器は…テレッテレー、ロー○ョンー(語呂悪い)!え?それ、使うの?今?本番あり?聞いてませんけど?…と問い詰める暇もなく、お兄さんは俺の手を壁につかせて後ろからローションを塗りたかった指を突っ込んできた。
「…案外、すんなり入るんだね。もしかして、いつも慣らしてる…?」
「…うぅ。自分でヤる時とか、たまにぃ…」
「…雪兎くん。本当に、いけない子だ。こんなに、いけない子になっちゃったんだね…」
まただ。俺のこと、知ってるの…?と、これまた問い詰める暇もなく指を抜いてお兄さんのお兄さんをブチ込んで来た。生だったか、ちゃんと着けるものを着けていたか?ご想像に、お任せします…。
「はぁっ…!」
こんな所で、ファーストキスはおろか初体験まで奪われるとは思わなんだ。流石に、抵抗すべきだったか?でも、駄目…。本当に気持ちよすぎて、何も抗うことが出来ない。むしろ、もっと突いて…。
「お兄さん、お兄さん…。気持ちいいよぉ。おれ、おかしくなっちゃう。でももっと、もっとやってぇ…」
「雪兎くん…雪兎くん。俺も、すっごい気持ちいいよ。ずっと、君とこうしたいと思ってたから。でも、駄目だ…。気持ち良すぎて、もう限界…」
そう言って、お兄さんは俺の中で盛大に果てた。ついでに俺も、さっきイったばかりなのに同時に…。
圭、お兄ちゃん…?そんな名前が、頭に思い浮かんだ。でも、誰だっけ?そんな名前の人、身内はおろか今まで遭ったことも…。
そこまで考えて、俺の気は遠くなった。
目が覚めたら、ひとりで例の個室トイレで座っていた。ちゃんと服もパンツも履いてるし、それらしい痕跡も見当たらない。
お兄さんが俺の身体を拭いて、ちゃんと服も着せてくれたのかな?いや…。
最初から、お兄さんなんていなかった。満員電車で痴漢されたことも、降りたこともない駅でトイレに入ったことも。
すべては、幻。真夏の昼の、ひとときの夢かな。馬鹿なことばっか考えていないで、さっさと立ち上がって家に帰ろう…。
うぅ、体中が痛い。
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