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こうやって「独白」として話すのは、とてもお久しぶりな気がしますね。みなさんこんにちは。伊勢嶋雪兎17歳、ホモです。この自己紹介も、何だかお久しぶり!
いやぁ、コミケ超楽しかったですね。今年は、一日目に台風直撃してどうなるかと思いましたけど。久々にエーミール君とも会えたし、目当ての本は全てゲット出来たし。上出来、上出来!
エーミール君とは会場で別れて、国際展示場駅から電車に乗りました。だいぶ早くに撤収したつもりですが、コミケ帰りの人の多さは半端ない。
文字通り、足を地面につけていることも出来ない状態。だけど何とか前に進んで、壁際で足を休めることは出来ました。
満員電車かぁ、思い出すなぁ。いつだったか東京からの帰りの電車で、突然尻を揉みしだかれて…。ひとしきり妄想に、胸をときめかせたっけ。まぁ、相手は女だったんですけどね。
その次に遭った痴漢は実の兄だったので、マジで嫌悪感しか沸き起こりませんでした。ってか、まぁそれが普通でしょうけど。
今日も満員電車なので、またちょっと痴漢被害に遭っちゃったりして?ははは、まさかね。人生で三回も痴漢に遭う男子高校生なんて、そうそういませんよ。ファンタジーや、メルヘンじゃないんですから…。と、我ながら懇切丁寧なフラグ構築をしていると。
突如として、尻のあたりに違和感が。これは、人の手。しかも、たまたま触れたと言う感じではなく明らかにまさぐられている。何なら揉んでしだいて、それはもういいようにされている。こ、これは…。
キタキタキタァー!伊勢嶋雪兎17歳、半年ぶり三回目の痴漢です!
…つい、はしゃぎ過ぎてしまいましたけど。いやいや、もう騙されへんぞ。あの作者のことだから、また何らかの落とし穴は設置してるよね?まずは二番煎じだけど、相手がコミケ帰りで欲求に身が抗えなかった腐女子だったとか…。痴漢ってか、痴女やね。
…いや、違う。後ろの痴漢さん、揉みしだいていた手をどけてケツに硬いものを当ててきたぞ?グリグリと押し当てられる、これは…。男だ、ヤッター!心がエブエブしてきたぞ。
…いやいや、まだ騙されない!この手(と股間のナニ)が、実の兄であると言う可能性が残されている。
身内の恥なので、あまり言いたくもないのですけど…。俺の三番目の兄は、生まれたての俺の姿をひと目見て心を射抜かれたと言うド変態です。それから現在に至るまで、溺愛と言ってもいいクソ重感情をぶつけてきます。俺のためであれば社会倫理や常識はどうでもいいと言う、いわゆる一つのサイコパスですよ。家族でさえなければ、半径100メートル以内にも近づきたくありません。
いや、しかしながら…。今日は窓から近い所で痴漢されていたため、少し顔をそむけると反射して後ろの男の顔を拝むことが出来ました。…兄貴じゃない。いや、そんなことよりも。
俺好みの、イケメンや!よっしゃ、今日は当たり!
クラスメートの岩本(ちゅき♡)やレオくんほどではないにせよ、背は高めだし…。年の頃も、俺より10ほど上ってところかな?うんうん、ストライクゾーンど真ん中ですよ。待っていました、合格ライン。早く、サングラス取ってみせてよ。って…。
邪魔やなぁ、サングラス。顔がよく見えないやん。まぁ、犯罪めいた(※犯罪です!)ことをしてるので保身のためだろうけどね。これは仕方ない。
あぁ…。喜んでる所だけど、まだ落とし穴が一つ残ってたわ。後ろの彼が、俺を女だと思っている可能性がなきにしもあらず。人より華奢な見た目をしてはいるし、今日は制服でもないしね。親切に、「男ですけど」とでも言ってあげるべき?せっかく興に乗っていらっしゃる所、無作法と言うものかな。そんなことを、思いあぐねていると…。
引き続き股間のモノを押し当てながら、手を前の方に回して俺のモノをまさぐってきました。ああ良かった、女と勘違いしている訳でもなかったのね。これで、ひと安心だわ。そうかそうか。君はつまり、そう言う奴(ホモ)だったんだな…。
ってか、めっちゃ丹念に触りますねぇ。好きなんだ、チンアナゴ。いやまぁ、俺も大好物ですけど。ズボンごしに触るのに飽き足らず、ズボンの隙間から手を差し込んで直に触っていらっしゃっいました。ベルトはしてますけど、ウエスト細すぎるので手突っ込むくらい余裕なんですよね。太らない体質で悩んでたけど、こう言う時(車内で好みのイケメンに痴漢される時)は便利だなぁ。
テクニックも、なかなかのものですよ。決して焦らず焦らさず、着実に快感を与えていくスタイルには好感が持てます。人生で三回痴漢された痴漢ソムリエとして言わせて頂くと、総合判定はAです。
あぁでもこのまま刺激を与え続けられていたら、また車内で発射しちゃうわ。パンツの中、えらいことになっちゃう…。どうしよう。また、その次の駅で降りてトイレの中で始末すべきか。我ながら、こう言った時の対処に慣れてきたなぁ…。そう思っていると。
「○○駅ー、○○駅」
先に、途中の駅に到着してしまいました。乗り換える人が多いのか、結構な人数が降りて行きます。そして、後ろで俺のケツやら何やらをまさぐっていた痴漢の方も…。
えぇ。せっかくいい所だったのに、もう終わりぃ?まぁだいぶ人も少なくなったし、これ以上ヤってたら通報されちゃうかもね。仕方ない。また自宅に戻って、今日のことを思い出しながら自分で発散させるかなぁ…。そう思っていたら。
電車から降りた痴漢さんが、明らかに俺の肩を見ている?しかもこれは単に見ていると言うだけでなく、誘っている…?この続きは、また他の所でしようぜ。みたいな?
どうするの、伊勢嶋雪兎17歳。まさかこんな犯罪者の誘いに乗って、ホイホイ付いていくと言うのかい?また犯罪とかは置いておいても、お前には岩本と言う想い人がいるんでしょう?その想いに、泥を塗ってもいいと言うのかい…。
天使の雪兎「やめておきなさい、雪兎。あなたには、高一の頃からずっと思い続けてきた岩本くんがいるじゃありませんか。こんな誘いに乗っては、彼に顔向けが出来なくなりますよ」
悪魔の雪兎「へへっ、顔向けもクソもあるかい。いいじゃねぇか、まだ岩本と付き合ってる訳でもないし。欲望に身を委ねて、ついでに目の前の彼にも身を委ねちまいな」
天使のような悪魔の雪兎「ってか別に、バレなきゃ何やってもいいんじゃね?彼で練習させてもらって、岩本と結ばれた暁にはせいぜい経験を活かそうぜ」
天使&悪魔の雪兎「「それな」」
よっしゃ、衆議一決!この間悩むこと、コンマ5秒。考えるが早いか、俺の身体は電車の外に乗り出していた。まぁ、ケツは熱いうちに打てって言うしね!
目の前の変態さんは、それを見て安心したように構内を歩いて行きました。俺は、彼に取り残されないよう付いていきます。大量の同人誌を入れたカラカラ、こういう時は邪魔だなぁ。次からは、多少お金がかかっても自宅まで郵送するようにしよう。
ってかこんな危ない奴に、ホイホイ付いてきて本当に良かったのかなぁ。まぁ、誰しも一度は激情に身を任せたい時があるのさ…。若気の至り、って言葉もあるしね。
あ。服を脱いで、パンツ見せることになっても大丈夫かって?無問題!今日はこんなこともあろうかと、勝負的な下着を履いてきてるのだよん。
伊勢嶋雪兎17歳、過去の轍は二度と踏まぬ!聖闘士に、同じ技は通用しないのですよ。
それじゃ字数も多くなってきたので、一旦ページ跨ぎます…。
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