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ちり紙とティッシュに悩む兵頭
「兵頭さん、今どき、ちり紙は、古いわよ。ティッシュって言うのよ」
そう、王子が笑いながら言った。
「そうっスよ、兵頭アニキ」
コテツも笑った。
「そうか……ティッシュか……」
兵頭は、かっぽう着姿で、神妙に言った。
僕は、八神組の組長になったが、その実、生活は、今までと変わらなかった。
毎日高校には、今まで通り、通っていた……。
いや、今まで通りじゃない。
兵頭の手作り弁当を持たされるようになったのだ。
手作り弁当なんて、僕は初めてだった。
今までの学校では、学食だったし、遠足だって、忙しいお母さんは、出来合いの総菜を弁当箱に詰めて、終わりだった。
手作り弁当と、かっぽう着姿で分かる通り、兵頭は、本当に僕のお母さんとお父さんになってくれようとしていた。
あのクールな感じの兵頭が、僕の両親の役を本気でしてくれた。
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